ママもパパも愉しく学ぼう

「100本のスプーンの離乳食教室」、開催しました!

FUTAKOTAMAGAWA

2019年12月、「100本のスプーン FUTAKOTAMAGAWA」にて「離乳食教室」を開催しました。日々お客さまとしてご来店される赤ちゃんと対峙するからこそ分かった私たちの気づきや、離乳食を無料で提供してきた中で得たヒントを少しでもママやパパと共有できたら…そんな想いで開催した第1回目の離乳食教室について、ご紹介できればと思います。

100本のスプーンと離乳食の関係

「100本のスプーン」では、毎日店舗で出汁をひき、旬の食材を使った離乳食を無料でご提供しています。お子様の成長に合わせご用意した初期・中期・後期3種の離乳食の提供数はなんと毎月3000食以上。“家族”のためのレストランなのだから、生まれて間もないお子様にもおいしい!と喜んでいただきたいし、外出先でのお子様の離乳食を用意することに不安や負担を感じるママたちも、ここへ来た時くらいのんびりしてもらいたいということから始まった取り組み。だから私たちにとって“離乳食を提供すること”って、とても重要な意味を持っているんです。2019年にはレシピ本『食べることが好きになる離乳食』も出版しました。これをきっかけに何か私たちに出来ないかと考えた結果、出て来た答えが「100本のスプーン 離乳食教室」でした。

“はじめて”の離乳食

「100本のスプーン」では、”はじめてに触れて、はじめてが楽しみになる”という経験を大切にしています。離乳食づくりはパパとママにとってはじめての経験ですよね。右も左も分からないはずだし、不安だってきっと沢山あるはず。離乳食教室で講師をするのは100本のスプーン、総料理長の髙橋徹也、通称テツさんです。

自身も4歳と2歳の二児の父ということもあり、離乳食や子育てに関するリアルなヒントやテクニックもトークの中にちらほら登場してきます。この離乳食教室の少し面白いポイントは、「ママの番」と「パパの番」とで内容が変わること。子育てする中で、ママにとって大変なことと、パパが知りたいことってやっぱり違うと思うんです。そんな細かい部分もこの離乳食教室で補いながら、各ご家庭が楽しく子育てと向き合うことができるのであれば、私たちも嬉しく思います。

【ママの番】 離乳食づくりを楽しもう!

「ママの番」では、「100本のスプーン」で提供している初期から後期にかけての出汁の引き方や試飲をはじめ、野菜の下ごしらえの仕方、シェフが普段から実践しているお料理の工夫、さらに書籍内に掲載されているメニュー“かぼちゃのニョッキ”のデモンストレーションと試食を行いました。全12組のママたちとその横に座る小さな子供たちがテツさんの話に耳を傾ける姿はなんとも和やかなムード。

出汁の試飲時も、離乳食作りのデモンストレーションの間もママたちから沢山の質問が飛び交います。それを聞いた他のママたちからわかるわかる!と共感の声も。最後の試食時には「100本のスプーン」で用意した色鮮やかで多種多様な容器やカトラリーがずらり。

「大人も器が変われば気分が上がる。子供だっていつもと違う器でご飯が出てきたら、おっ!ってなるかもしれないですよね。食事をおいしく食べるコツは、なんと言っても楽しく食べること!お母さん側も器のチョイスや盛り付けを楽しんじゃってください。その雰囲気が食卓に伝われば、お子さんだって嬉しくなってご飯をおいしく感じるはず」とテツさん。

普段忙しいママだからこそ子育てには遊び心を。離乳食教室「ママの番」にはそんな思いを込めました。

【パパの番】パパでもできる離乳食レクチャー

「ママの番」の翌々日に開催された「パパの番」では離乳食の基本の基をレクチャーします。なぜ初期から後期にかけてお出汁の使い分けをするのか、灰汁が出る野菜は離乳食には不向きであること、中期離乳食に昆布出汁を使用するのは、母乳にも含まれる成分であるグルタミン酸が豊富だから。さらに後期のお出汁に鰹と昆布の合わせ出汁を使用するのは旨味を重ねて母乳離れをさせるためなど、パパたちがふむふむなるほど…!となる情報が満載。

さらに離乳食のベースであるお粥についても、初期から後期にかけての硬さの違いも学びました。レクチャーが終わるとパパたちはサロンを巻いてクッキング開始。「ママの番」で、デモンストレーションと試食をしたかぼちゃのニョッキを作ります。

電子レンジで火を通したかぼちゃをつぶし、そこに米粉を加えて混ぜていきます。シェフにコツを聞きながら手を動かすパパたち。お料理をしながら野菜の下ごしらえの方法や、火加減などの基本知識を学んでいる様子。想像以上に簡単にニョッキが作れたことに驚いているパパも。

「初めての離乳食作りって分からないことだらけ。そんな中でパパが離乳食の基本を学ぶ場所ってなかなかないんですよね。パパが手伝ってくれたらママだってやっぱり嬉しいと思うんです。なので、この教室で何か1つでも料理のテクニックや知識を持って帰ってくれたら嬉しいです」とテツさん。子育ては授乳などママにしかできない仕事もありますが、パパだからこそできるサポートがある。奥が深い離乳食作り。意外とハマってしまうパパも多いかも?

赤ちゃんがおいしくご飯を食べる秘訣は“楽しい家族の食卓”にあり

「この教室をスタートしたきっかけは、お店で提供している離乳食。僕たちはこの離乳食の提供を4年間続けていますが、接客や新しいレシピを作る中で色々な気づきがありました。中でもお子様においしいと思って完食してもらうコツですね。離乳食って赤ちゃんの分を先に作って食べさせてから、その後大人が食事をすることが多い。でも100本のスプーンでは大人の料理と離乳食を一緒に出すので大人も赤ちゃんも揃ってご飯を食べることができる。その“家族団欒”っていう状況って赤ちゃんも理解していると思うんですよね。みんなで食べるご飯ってやっぱりおいしい。それは大人も赤ちゃんも同じなんです。」

「離乳食レシピって時短がテーマのものは世の中に沢山出ていますよね。もちろんこれは大切なことです。でも次点として、自分の子供のためのご飯を手間をかけてコツコツ作るっていうレクチャーがあってもいいかなと。好きな人に料理を作ってあげるって幸せな気持ちになるじゃないですか。旬の野菜を使ったり出汁を丁寧にひいたりとか、そういう心配りや愛情は味だけではなくて食卓の雰囲気にも出ると思います。赤ちゃんがおいしくご飯を食べるために、ママもパパも楽しく離乳食づくりが出来たらいいな。それが伝わるような教室をこれからも開催していければと思っています。」

離乳食教室に参加されたママからは

「離乳食を口にしたときの娘の反応がいつもと全然違って、よく食べてくれた」「出汁をとること、いろいろな食材を食べさせることに前向きになれた」などの声が。

パパからは「月齢別の出汁を試飲できたのがよかった」「思ったよりも簡単にニョッキが作れたので、さっそく家でやってみます」というお声をいただきました。

100本のスプーンの離乳食教室が、家族で食事を楽しむためのヒントとなれば嬉しいです。そして、離乳食に関して何か困ったことや悩みがあれば、お店にお越しいただき、気軽にご相談いただければと思います。


■シェフプロフィール

髙橋徹也 (Tetsuya Takahashi)

100本のスプーンの総料理長。2015年スマイルズ入社。服部栄養専門学校を卒業後、神楽坂のフレンチ「ル・マ ンジュ・トゥー」、神谷町の「シェ・ウラノ」など個性豊かなシェフの元で修行を重ねる。スマイルズ入社後は「あざみ野ガーデンズ」「二子玉川」「東京都現代美術館」の料理長を務める。離乳食をはじめとした「100本のスプーン」の全料理を監修。自身も4歳と2歳の二児の父親として日々子育てと向き合っている。

 

■レシピ本情報

『食べることが好きになる離乳食』

著者:100本のスプーン

出版社:KADOKAWA

発売:2019年11月22日(金)

価格:1450円(税別)

販売:販売:全国書店、Amazon、100本のスプーン各店舗